Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.8(2022年)→1.9(2023年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.06

Case Report(症例報告)

(0657 - 0662)

術中USで外側高エコー層の肥厚と蚕食像を認めた初期SS胆管癌の1例

A case of bile duct carcinoma with shallow subserosal invasion, detected as thickened outermost hyperechoic layer with a worm-eaten area on intraoperative ultrasound

藤本 武利1, 加藤 洋2

Taketoshi FUJIMOTO1, Yo KATO2

1平塚胃腸病院外科, 2獨協医科大学日光医療センター病理部

1Department of Surgery, Hiratsuka Gastroenterological Hospital, 2Department of Pathology, Nikko Medical Center, Dokkyo Medical University

キーワード : ultrasound, bile duct, pT2 carcinoma, depth of carcinoma invasion

進行胆嚢癌であっても漿膜下層浸潤が浅く2 mm以下の深さに留まる胆嚢癌,すなわち初期の漿膜下層浸潤胆嚢癌が予後良好であると報告され,その超音波像が注目を浴びている.他方,肝外胆管癌は深達度診断が困難であり,早期胆管癌の超音波像が報告されている一方で,初期の漿膜下層浸潤胆管癌のそれは報告されていない.我々は,病理組織学的に初期の漿膜下層浸潤胆管癌と考えた症例を経験したのでこの画像を中心に報告する.本症例では,腹部超音波検査(US)で胆嚢腫大と肝外胆管拡張がみられ,中部胆管に腫瘤を認めた.MRCP・ERCで中上部胆管が不整な狭窄を示した.管腔内超音波検査(IDUS)を行うと,腫瘤は中部胆管内腔をほぼ占拠するが,外側高エコー層に明らかな不整を認めなかった.早期胆管癌と考え,胆嚢・胆管切除を行った.術中超音波検査(術中US)で三管合流部の前壁に腫瘤を認め,この直下の外側高エコー層が肥厚しており,一部で蚕食像がみられた.病理組織学的診断は,進行胆管癌:Bm,pap > tub1,深達度ss,pN0であり,漿膜下層浸潤が浅く2 mm以下の深さに留まっていた.外側高エコー層の肥厚は漿膜下層浸潤胆管癌の初期にみられる所見であるかどうか,今後の症例集積による検討が望まれる.

Radical resection may provide a favorable prognosis for patients with gallbladder carcinomas with only shallow subserosal invasion (