英文誌(2004-)
State of the Art(特集)
(0085 - 0088)
がんの超音波診断への工学的アプローチ
Approach to ultrasonic diagnosis of cancer from engineering point of view.
奥島 基良
M OKUJIMA
東京工業大学精密工学研究所
Tokyo Institute of Technology, Research Laboratory of Precision Machinery and Electronics
キーワード :
がんの超音波診断において,鑑別診断における正診率,集団検診における発見率を向上させるためには,病理学的な基礎研究と診断装置の改良開発が必要であり,そのための指針を述べた。
まず,がんの音響特性(減衰特性,反射特性)を測定しデータを集積すること,および減衰・反射の機構を解明することが,がんの超音波診断の進歩のために極めて重要であることを述べ,実際の測定や機構解明の研究についての指針を与えた。ついで,がん組織の音響特性のデータが集積されればその特徴を抽出して表示できる鑑別診断用の装置の開発が容易になろうと述べ,また,これと別に集団検診用ないしはスクリーニング用の診断装置が必要であるとして,この目的に使用できるであろう診断装置の研究状況を展望した。