英文誌(2004-)
Original Article(原著)
(0081 - 0089)
僧帽弁狭窄症の僧帽弁装置について —高速度超音波心臓断層法による観察—
A study on mitral apparatus in mitral stenosis. ~By means of high-speed ultrasonocardiotomography.
西村 欣也
Kinya NISHIMURA
名古屋大学医学部第三内科
The Third Department of Internal Medicine, Nagoya University, School of Medicine
キーワード :
高速度超音波心臓断層法により僧帽弁狭窄症18例の僧帽弁装置の記録を行ない,心エコ一法と同様,断層法が本症の診断に有益であることが判明した。特に断層法では心エコー法によっては推定しがたい僧帽弁病変の広がり具合が推測でき,さらに心臓血管造影法によって明確にされている僧帽弁狭窄症の特徴的所見,すなわち,拡張期に僧帽弁が左室側へ凸状に張り出す現象(ballooning)が容易に描写できた。しかも断層法で観察された ballooning の程度は心臓血管造影法のものとよく一致していた。また,症例は少なかったが断層法を使用することによって乳頭筋や腱索の状態も判断することが可能であると考えられた。