英文誌(2004-)
Original Article(原著)
(0151 - 0155)
超音波断層法による無脳児診断
The diagnosis of anencephaly by ultrasonic tomography
仁位 史建, 中野 仁雄, 小柳 孝司, 久保田 史郎, 坂元 力, 熊野 由美子
Fumitate NII, Hitoo NAKANO, Takashi KOYANAGI, Shiroo KUBOTA, Chikara SAKAMOTO, Yumiko KUMANO
九州大学医学部産婦人科学教室
Department of Obstetrics and Gynecology, Kushu University School of medicine
キーワード :
近年,胎児医学は急速な進歩を遂げつつある。超音波断層法は,軟部組織の描写性に優れるため,胎児形態の把握を可能にする。特異的形態異常を来たす無脳児が胎齢16週6日で超音波断層法により発見された。筆者らの使用した機器によると,正常胎児の場合,児頭の円形構造は,胎齢12週で50%,13週で90%,14週以後で100%の検出率であった。このような児頭検出のための操作手順を示したが,これは,また,無脳児診断のための操作手順である。一方,胎15週5日の胎児を用いた水浸実験により,児頭部,児体部からのエコーレベルに差が認められ,両構造の有するエコーレベル差の比較検討は,診断情報として有用であることが示唆された。