英文誌(2004-)
Case Report(症例報告)
(0228 - 0232)
超音波断層法による胎児水腫の診断
Ultrasound diagnosis of fetal hvdrops
小林 徹夫, 竹内 久彌, 杉江 敏行, 朴 美子, 川又 千珠子, 山本 勉, 古谷 博
Tetsuo KOBAYASHI, Hisaya TAKEUCHI, Toshiyuki SUGIE, Mija PAK, Chizuko KAWAMATA, Tsutomu YAMAMOTO, Hiroshi FURUYA
順天堂大学医学部産婦人科学教室
Department of Obstetrics and Gynecology, Juntendo University School of Medicine
キーワード :
胎児を対象とした種々の形態異常の診断は,産科領域における超音波断層法の適応のうちでもとくに期待されているもののひとつといえよう。最初は無脳症や水頭症のような単純で描写されやすい頭蓋の形態異常の発見に始った胎児異常診断の内容も,診断装置の発達と普及によって次第に詳細におよぶようになり,胎児内部構造の異常が,それも比較的まれな症例について観察される機会が増えてきている。
われわれは1963年に産科診断法として超音波断層法を導入して以来,この胎児異常の診断についても常に関心をもってきているが,その間に2例の胎児水腫例の出生前診断を行なう機会があったので,その内容を報告する。