英文誌(2004-)
Editorial(エディトリアル)
(0145 - 0151)
心膜腔液貯溜の超音波所見について—超音波断層法を中心にして—
Echocardiographic findings in patients with pericardial effusion. ~By means of ultrasonocardiotomography.
中村 一彦, 宮原 健吉, 古川 重治, 福田 陽一郎, 美坂 幸治, 橋本 修治
Kazuhiko NAKAMURA, Kenkichi MIYAHARA, Shigeharu HURUKAWA, Yohichiro FUKUDA, Kouji MISAKA, Shuji HASHIMOTO
鹿児島大学医学部第二内科
Department of Internal Medicine, School of Medicine, Kagoshima University
キーワード :
心膜腔液貯溜20例の超音波所見について検討した。各例についてUCT, UCG,キモグラム,感度断層像を得,心膜腔液貯溜の検出についての各法の有用性と問題点,また液貯溜時の心動態について検討した。液貯滑の検出および程度の把握には各法の組み合わせが有力であった。UCGのみでは液貯溜の誤認を起こす可能性があり,貯滑の程度の認識には,とくにUCG単独より, UCTとの組み合わせが必要であった。液貯溜時,心臓は異常な心動態を示し,大量液貯溜例は,収縮中期より後期にかけて心臓は後方に偏位し,拡張中期より後期にかけて前方に偏位した。中等度液貯溜例は左室中央部より心尖部例にかけて同様の異常動態を示した。この異常動態を反映するUCG所見として,心室中隔の偏位の増大,僧帽弁収縮期後方偏位,左室後壁の収縮中期~後期の後方偏位などの所見を認めた。