英文誌(2004-)
Editorial(エディトリアル)
(0152 - 0159)
陰嚢内腫瘤の超音波診断法
Jltrasonic diagnosis of intrascrotal tumors
沢村 良勝1, 田島 政晴1, 安藤 弘1, 高山 吉隆2
Yoshikatsu SAWAMURA1, Masaharu TAZIMA1, Ko ANDO1, Yoshitaka TAKAYAMA2
1東邦大学医学部泌尿器科学教室, 2東邦大学附属病院超音波検査室
1Toho Univ. School of Med.,Dept. of Urology, 2Toho Univ. Hospital Ultrasonic laboratory
キーワード :
陰嚢内腫瘤の非観血的診断法は触診法・徹照法・聴診法が主でⅩ線学的診断法は被曝線量問題のため原則てして行なわれることが少なく,したがって陰嚢内腫癌の描出法は超音波断層法が理想的なものと考える。
今回は陰嚢内腫瘤におけるわれわれの超音波学的診断方法を紹介した。使用機器は,通常は乳腺・甲状腺診断用のアーク・スキャンによる水浸法を採用した。とくに腰瘤の小さい乳幼児では,前立腺診断用のラジアル・スキャナを使用し小型水浸法として応用して小腫瘤の明瞭な描出に成功した。また,胎児心音計を併用してドプラ法による精索および腫瘤部の血流音を記録し,その診断的有用性を証明した。この方法により陰嚢内腫瘤の血流音の有無を検索すれば睾丸回転症と炎症性疾患や腫瘍との早期の鑑別は容易に行なうことができるようになった。