英文誌(2004-)
State of the Art(特集)
(0289 - 0294)
心臓診断用電子セクタ走査超音波断層装置
Electronic sector scan ultrasonotomograph for cardiac diagnosis.
近藤 敏郎1, 黒田 正夫1, 小川 俊雄1, 片倉 景義1, 神田 浩1, 中川 健治2
Toshio KONDO1, Masao KURODA1, Toshio OGAWA1, Kageyoshi KATAKURA1, Hiroshi KANDA1, Kenii NAKAGAWA2
1日立製作所中央研究所, 2日立メディコ大阪工場
1Central Research Lab.,Hitachi Ltd, 2Hitachi Medical Corporation,Osaka Works
キーワード :
電子セクタスキャン超音波断層法は,肋間におさまる程度の小型探触子で広い視野の像がリアルタイムで表示されるのが特長である。したがって肋骨の影響を受けずに容易に心臓内の意図する方向の断層像が得られるので,心臓の診断には最適といえる。しかし,従来この方法による装置は,複雑で大規模なものとなるため,その実用化が阻まれていた。そこで筆者らは,簡単な構成で正確に制御できる送波用ならび受波用可変遅延回路を開発し,上記の問題を解決した。
電子スキャン超音波断層装置は,超音波ビームを偏向する制御が高速で実行できる特長がある。この特長を生かして,UCG・キモグラムなどを断層像と同時表示することをはかった。装置の性能ならびにこれらの機能は,臨床への応用において実用性の高いことが認められた。