Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.8(2022年)→1.9(2023年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

1978 - Vol.5

Vol.5 No.01

Original Article(原著)

(0015 - 0021)

心エコー法による僧帽弁逸脱症診断上の問題点について—左室シネアンギオグラフィとの対比—

Echocardiographic detection of prolapsed mitral valve −Angiographic-echocardiographic correlation−

松井 忍, 升谷 一宏, 村上 暎二, 竹越 襄

Shinobu MATSUI, Kazuhiro MASUYA, Eiji MURAKAMI, Noboru TAKEKOSHI

金沢医科大学循環器内科

Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, Kanazawa Medical University

キーワード :

心エコー法による僧帽弁逸脱症診断上の問題点につき検討する目的で, 左室シネアンギオグラフィを施行した293名を対象として, 左室シネアンギオグラムと心エコー図とを対比検討した結果, 次の成績を得た。
1)心エコー法による僧帽弁逸脱症診断における偽陰性の症例は約19%に, 偽陽性の症例は約9%に認められた。
2) anterolateral commissural scallop (ALCS) あるいは posteromedial commissural scallop (PMCS) の single scallop の逸脱は心エコー法にては検出が難しいことが示された。
以上より, 心エコー法のみによる僧帽弁逸脱症の診断は誤診の可能性があり, 本症の確定診断を下すには超音波心臓断層法や左室シネアンギオグラフィなどをあわせ行ない, 総合的に判定することが必要であると考えられた。