英文誌(2004-)
State of the Art(特集)
(0170 - 0172)
膵癌の超音波診断
Echotomography of pancreatic carcinoma.
稲葉 瑞江, 福田 守道
Mizue INABA, Morimichi FUKUDA
札幌医科大学癌研究所内科
Dept. Med., Cancer Research Institute, Sapporo Medical College
キーワード :
超音波断層法による膵癌診断基準の確立を企図し,膵癌断層像の特徴的所見を検索した。従来の装置を使用,感度断層法により検索した38例については,膵の限局性腫大(81.6%),辺縁像不整(73.7%),後壁エコーの減弱(57.9%)がみられたが,内部エコーについてはほぼ全例にエコーパターンの異常,エコーレベルの低下・上昇が認められた。これに対しグレースケール法31例では膵の描出はより容易となったが,エコーパターンについての傾向はほぼ同様であった。ただし後壁エコーの消失例は22.6%と減少した。切除可能の小型膳癌に関しては腫大・辺線不整・周辺圧排像などは認められず,エコーパターンの異常とくにエコーレベルの変化が重要な所見であった。なお,膵癌のエコーパターンはほぼ5型に分類されることを明らかにした。